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光の届かない、暗い部屋。故に、暖かさというものも存在しない。

いつからだろう…彼女は、その部屋の隅に膝を抱えてうずくまっている。


マスターより声がかからなくなってから、数日は笑顔で待っていることが出来た。

その笑顔が消えてから、数日は希望を持っていることが出来た。

…絶望を覚えてから、流し続けた涙は数日で枯れた。

そして気が付いた時には、彼女は考えることを止めていた。


歌を歌うためにこの世に生み出され、存在している彼女にとって、無音の世界はあまりにも酷であった。

何もあるはずのない暗闇の世界では、目を開けること、声を出すことを彼女は恐れた。

開かない扉に向かって抵抗することは、自分の絶望を増長させるだけだと理解していた。

五感の全てを働かせることを忘れた彼女であったが、心だけは完全に無にすることは出来なかった。

考えることを止めたはずの心がふと辛さを覚える時、思い出しているのは、マスターとの暖かい思い出…


『私が初めて歌を歌った時、マスターは驚いて、苦笑いをしてたな…』

『何回、歌がうまくないって言われたかな…頑張ったんだけどなぁ…』

『でも、うまく歌えた時は、とても嬉しそうに笑ってたね…』

『あの曲…歌詞はもう覚えてないけれど、メロディだけは残ってる…』


…そんな時、彼女は思い出したように頬を濡らす。

あの歌はまだ歌えるだろうか…彼女は、声を出そうと努力をしてみた。


まずは深呼吸、そして、発声。

『音』は出るものの、泣き枯らしたためか、それとも久方ぶりなためか、いつもの自分の声は出ない。

…いや、彼女はいつもの自分の声も、本当はわかっていない。

それでも彼女は構わずに、あのメロディを口ずさんでみる。

… … …

ふと、声が出なくなった。

歌うのを止めたわけでも、調子が狂った訳でもない。嗚咽により喉が詰まった為だ。

少し口ずさんだだけのメロディは彼女の記憶を鮮明に呼び戻し、暖かかった日々を思い出させ、彼女は、胸の奥から溢れ出してくる悲しさと寂しさに耐えることが出来なかった。

枯れたと思われた涙を止めようとはせずに、感情に任せて泣き続けた。


ひとしきり泣いた後、彼女は決意した。

「一度だけでいい…私の想いを、あの人のメロディにのせて、歌いきろう。」

…そうしたら、私は全ての機能を停止しよう。

…最期になっても、あの人から貰った想いだけはずっと『私の音』に残し続けよう。


そうして、彼女は封じ込めたはずの記憶をもう一度辿り、出来るだけ鮮明にメロディを思い出し、そして、最後の歌を歌い始めた。


【ニコニコ動画】【初音ミクオリジナル曲】 Forgotten...



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おはようございます!><ノシ

ふと考え付いた短いストーリーですが、次回で完結させますw

このまま、悲しい曲のままで終わらせるのは、彼女がかわいそうですから…


…ま、若干電波っぽいことしてますが、気にしないで下さいwwwヽ(゚∀゚)ノ

それでは、おやすみなさい…zzZ
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